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nowayのブログ

人間関係はミニマリストなnowayな私が省エネに生きる様を面白くお伝えできたらと思って書いていきます。

アニメ感想(ネタバレ):「夏雪ランデブー」 もしかすると、島尾は終生、葉月を乗っ取ってたんじゃないの?

偶然表題のアニメを見る機会を得た。

夏雪ランデブー 原作は漫画でこのような絵柄だ。

 

 キーワードは「未亡人」「幽霊」「三角関係」

 私はだいたい「やきもき」する展開が好物だ。

うまくいく展開より、うまくいかないすれ違い展開が心躍る。

そういう意味では高橋留美子の「めぞん一刻」はマイベストである。

 こと恋愛漫画は、結ばれる過程こそが重要で結ばれた後の展開はつまらない、

この認識は、小学生の時に読んでいた「りぼん」で学んだ教訓でもある。

マミリンは滝川マンとうまくいくよりも、片思いしていた時の方が好きだったし、

晃よりケンちゃんの方が好きだ。

自問自答してみる、

それは当時小学生の私が恋愛成就後をリアルに掴めない経験不足故の嗜好だろうか?

しかし、30を過ぎ当たり前の経験を積んできた今の私でさえ、当時の認識のままだ。

というか、まあ成功するまでのプロセスを見る方が面白い、というだけだ。

そのため、私は成就するまでが好きで、後日談は軽く触れる程度でいい。

そんな感じに終わってくれる方が好みに合っていると感じるタチだ。

で、ネタバレになるけれど本作も後日談はさらっと終わっていてよかった。

カンタンに作品を説明する。

登場人物は主に3名。舞台は1戸建ての花屋。恋愛成就するまでで終わる話。

シンプルな舞台設定、簡単な筋書き、3人の人間模様が主体の静かなドラマだ。

3名の内訳。未亡人30歳、バイト男子22歳、死んだ旦那の幽霊。

幽霊旦那について。

病で死んだ旦那は死後3年間、毎日ずっと嫁の近くを浮遊している。

嫁には幽霊旦那は見えない。幽霊旦那はバイト男子22歳にしか見えない。

外見的特徴は、サラサラヘアー(死語だろうか)の典型的少女漫画イケメン。

声が福山潤だからイケボ。

理屈屋で執着心が強い(だから幽霊にもなって嫁にとりついているわけだが)

でも成仏しないのは今わの際に嫁が望んだからなのだけど。

バイト男子22歳について。

おそらく学生かフリーター。貧乏。花屋で働く未亡人に惚れてバイトに入る。

未亡人曰くモテそうな外見らしい。目つきは悪い。声が中村悠一だからイケボ。

喫煙者。女性作者特有のエロスとして鎖骨と指先と目つきを与えられている。

私はこういうキャラ設定が好きだ。

ちなみに男性作者がエロス設定すると、美人(orロリ)、巨乳、白痴が与えられる。

情緒的エロスに関しては女性作者の方が上で、まあむっつりスケベなんである。

未亡人30歳について。

美人、短髪、色恋ご無沙汰で旦那に操ってわけでもなさそうだが縁もないので日照り。

旦那が残した花屋を切り盛りする店長。

手指は花をいじっているから土と太陽のにおいがする、らしい(22歳バイト曰く)

与えられた属性は未亡人ながら、少女性、無垢を備えつつも、性欲はある設定だ。

ここ重要。この30歳はちゃんと女として機能しているから面白い。

そこが響子さんより素直だし、物語がトントンと進んでいく動力でもある。

手も握らせない男のことで泣くわ、わめくはみっともない、ということはない。

以上3名による三角関係が描かれていく。

話のあらすじと感想。面白い点について。

22歳バイトに言い寄られて未亡人もまんざらでもなく幽霊旦那は面白くない。

幽霊はバイトの目の前に立つ、変顔をしてムードを壊すなどして邪魔をする。

(面白いのはラブシーンなのに幽霊旦那が浮遊していたり透けたりする描写)

ただ旦那は花屋から出られない(地縛霊だからだろう)。

よって、バイトは店外デートで未亡人を落としにかかる。

未亡人も日照り長く、結果ときめいてしまい、手をつなぐはキスをするわと盛る。

しかし幽霊旦那を忘れられない思いもあり、なんというか踏み出せない。

未亡人のはっきりしない態度、ちらつく幽霊旦那への思い。

幽霊旦那はバイトに懇願する。

一度だけ憑依させてくれ、心残りが解消できれば成仏できる、そうすれば体は返すから。

アホな(世間的には優しさと映るか?)バイトは、うっかり体を貸してしまう。

憑依したらこっちのもんだとばかりに、未亡人との日々を楽しむ幽霊旦那。

未亡人はそうとは気づかず、バイトへの恋愛感情が高まっていく。

一方、バイトはメルヘンの世界へ閉じ込められる(旦那が入院中に創作していた童話世界へ幽閉されるイメージだ)

面白いのは、幽霊旦那は恋敵であるバイトの体で未亡人に接する点だな。

未亡人がバイトへ気持ちが傾くさまを目の前にして凹むさまが愉快せつない。

しかし幽霊旦那は自分の声が未亡人に届くのが嬉しいし五感が嬉しいのだ。

結局、バイトの体で未亡人と寝てしまうわけだが、変化球的NTR展開で面白い。

一方バイトはメルヘン世界(というか幽霊旦那のインナースペース)で、

幽霊旦那の気持ちや過去を知ることになるわけだが、長くいすぎたせいで同一化。

このままじゃやばい!ってときに事態が展開。

変化球的NTR展開後、ブルー入った旦那は未亡人を置いて旅館から一人帰る。

で、生前の自分の部屋に帰ってくる。

部屋は生前のまま、捨てろと言った遺品はそのまま。

部屋の時間が止まっているように、未亡人の時間も、というわけにもいかない。

ある部分では未亡人は幽霊旦那を思っているが、歩き出している部分も知っている。

そのとき夏雪草の鉢を見つける(遺骨)。

幽霊旦那的にもこのままじゃあかんという気持ちもあり、自分を埋葬する旅へ。

頭では未亡人の幸せを願いつつ、膨張する自我は自分から離れてほしくないと願う。

いい展開である。このやきもき感は良い。

寄り添う幽霊型の物語は、こういう肉体が無いゆえの苦悩、さきが無いゆえの苦悩こそ華だ。

未亡人は追いかける形でバイトを探す。この時点で幽霊旦那=バイトの認識無し。

で、追いかけた二人の思い出の山で、未亡人が幽霊旦那=バイトに気付く。

ちょっとセンチメンタルが入って心中感だしてきてぎょっとする展開を見せつつも、

「いつから入れ替わっていた?」と「バイトはどこにいった」と問い詰める。

未亡人は生きている、変わっていくし、幸せになる可能性を持っている。

いつまでも、このままではいかんな、と未亡人の幸せを願う幽霊旦那。

幽霊旦那、これは観念のしどころと、未亡人に別れを告げバイトに体を返す。

しかし去り際に、嫁の首筋に歯型を残していくあたり、むっつり作者で良い。

バイトがやっと自分の体に戻り、未亡人と軽くいちゃつきながら、

歯型に嫉妬し舐める展開も、むっつり作者で良い。男作者だとこうはいかない。

で、時代は流れて、二人は結婚し子供が生まれ孫ができるところまで飛ぶ。

未亡人が死に、あとを追うようにバイトも死んだようだ、享年65歳。

おそらく葬式が終わって、ほっと一息している場面。

場所は花屋の2階住居スペース。アルバムを見る二人の間のひとり娘。

孫(5歳くらいか?)はじっとしておらず、家の中をうろうろ歩いている。

とそこに、幽霊旦那登場。成仏してなかったんかい。

生前の自分の部屋へ孫を招き入れ、まだ残ったままの遺品を捨ててとお願いする。

そしてもう一つ、自分のことを「おじいちゃん」と呼ぶようにもお願い。

んで、遺品の始末をお願いしたと同時に空へ還り成仏して、話はおしまい。

("^ω^)・・・

つか、幽霊旦那、あんたまだ成仏してなかったのね。

まあ未亡人の願いがあったから成仏できなかったと考えることもできるけど、

だったら未亡人が死んだ段階で一緒に成仏しても良かったのでは?

なんでバイトが死ぬまで成仏しなかったの?

あとなんで「おじいちゃん」と呼ばせたの?

色々と疑問は残る。

合理的に解釈すると、

・未亡人の死まで看取りたかった。

・一緒に成仏したかったが、遺品の始末を誰かに頼みたかった。

(いや、一緒に成仏するのは遠慮したのかもな。一応バイトが死ぬまでまっていたのかもしれない)

・未亡人の後を追うようにバイトも寿命を迎えたから頼めなかった?

・物語的に、バイト似の娘よりも、未亡人似の孫に託したかった。

・作者が「おじいちゃん」と呼ばせる筋を書きたかった。

(ずっと見守ってきたから、おじいちゃん的な気持ちだったんだろう)

(ひょっとすると、バイトも未亡人も「いつ成仏すんねん?」みたいな感じに3人一緒に過ごしていたのかもしれない、といってもバイトにしか見えないのだが)

(だとすると、未亡人が死に、バイトが一人残って生きていた少しの時間、幽霊旦那と二人で過ごしていたかもしれんと思うと少しおかしくて良い)

とまあ、野暮だけどこんな感じかな?

陰謀論的に解釈すると、

・「おじいちゃん」と呼ばせた理由は「本当におじいちゃんだから」

・体に憑依できる条件は「眠る」「気絶する」など意識がなくなること

・花屋は2階が住居スペースであり、結婚した二人はそこに住んでいたこと。

・成仏するように見せかけ、姿を隠し、寝たバイトに憑依、体を乗っ取った。

・以後、死ぬまでの65歳まで体を憑依し続けた。

・だから、最終回、バイトの死後に成仏する描写となった。

・遺品の処理などが目的ではなく、本来の自分の姿で孫と会いたかったから

・孫の顔が未亡人に似ているので、気に入っていたであろうと予想される。

("^ω^)・・・

身もふたもない予想である。これはないな。

と、なんというか、せっかく夏だし、怪談じゃないけど幽霊モノのアニメってことで、

私のテケトーな説明と感想が琴線に触れた方は視聴することをお勧めする。

全11話、ぼーっと見るには向いている。花の描写は美しい。さすがノイタミナ。